今日は「アマチュアビジランテ」を全力推薦。
39歳・無職の尾城慎太郎が、孤独と絶望の果てに“個人の反撃”へと踏み出す。勧善懲悪の快感に寄りかからず、現代日本の陰圧を真正面から物語に転圧する、稀有なバイオレンス・ドラマだ。

まず一言レビュー
生活の手触り→沸点→爆ぜる瞬間までが異様にリアル。暴力は快楽ではなく必然として描かれ、読後は爽快より思考が残る。倫理の白黒を拒む灰色の傑作。今いちばん続きを待つ漫画。
関係者の皆様、画像使用、内容に問題があるようでしたら連絡いただければ消去いたします
※きっとネタバレを含みます
作品データ(公式ベース)
- 原作:浅村壮平/作画:内藤光太郎。掲載:講談社『週刊ヤングマガジン』連載中。レーベルは「ヤンマガKCスペシャル」。(ウィキペディア)
- あらすじの核:39歳・低所得の男が、政治家暗殺を決意――という衝撃の出発点。公式試し読み・配信の紹介文でも明記。(ヤンマガ, まんが王国)
- 1巻書誌:紙&電子ともに2024年10月4日リリース、B6/192ページ(定価759円)。(講談社「おもしろくて、ためになる」を世界へ)
- 最新刊予定:第5巻は2025年9月5日発売予定(講談社公式)。(講談社「おもしろくて、ためになる」を世界へ)
ここが面白い(ネタバレなし)
1) 必然としての暴力の描写
見せ場の刹那だけを煽らず、準備→逡巡→実行→反動の全工程を画面に刻む。引きの静寂と寄りの圧の切り返しが、読者の心拍を作品の時間に同調させる。
2) 倫理のグラデーションを読み手に返す設計
尾城はヒーローでもテロリストでもない。「どこに線を引くか」を読者に委ねるため、物語は意図的に灰色で走る。善悪の定規が揺れるたび、ページが軽くなる速読性が生まれる。
3) 現実のディテールが物語の推進力に
日雇いの疲労、コンビニの照度、薄い壁の生活音。生活の細部が暴力の立ち上がりに質量を与え、展開の速さが性急さに堕ちない。
4) キャラクターの距離感
隣室の子ども、牙を隠した大人、壊れかけの若者。「守りたい/見捨てたい」の感情が同居する人物たちが、尾城の選択に新たな段差をつくる。
こんな人に刺さる
- 勧善懲悪より現実の苦さを読みたい
- 暴力=演出ではなく、物語の必然として機能する作品が好き
- 倫理の白黒より濃い灰色を読み解きたい
注意点
- 暴力・犯罪の描写がある。ショッキングな場面が苦手な人は留意。作品は違法行為を推奨しないが、倫理的な負荷は高い。
どこから読む?
- 公式の試し読み/連載ページ(ヤンマガ公式)で導入を掴むのが手っ取り早い。(ヤンマガ)
- 配信プラットフォーム(K MANGA など)は無料増量期間が定期的にあるので、まずは1巻の温度を体感。(まんが王国)
まとめ
「アマチュアビジランテ」は、社会のひび割れから吹き出す熱を、娯楽の速度と倫理の重さで同時に走らせる稀有な一作。今、読む理由がある漫画だ。
参考リンク(公式URL等)
- ヤンマガ公式 作品ページ:https://yanmaga.jp/comics/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86 (ヤンマガ)
- 講談社 書誌(1巻):https://www.kodansha.co.jp/comic/products/0000398323 (講談社「おもしろくて、ためになる」を世界へ)
- 既刊一覧・最新刊予定(講談社):https://www.kodansha.co.jp/titles/1000046842 (講談社「おもしろくて、ためになる」を世界へ)
- K MANGA(配信・あらすじ):https://comic.k-manga.jp/title/207387/pv (まんが王国)
- Wikipedia(基本情報の整理):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86 (ウィキペディア)