関係者の皆さま、画像・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応いたします。 ※ここから先はネタバレを含みます。 作品データ 要点北方の戦乱地帯で育った少年・アルマークが、南の「ノルク魔法学院」に入学し、魔術理論と学院生活のルールを学びながら成長していく。戦地で身につけた実務的な判断と、学術的・社会的な判断のすり合わせが主な読みどころ。 あらすじ 一言コンセプト 「北で鍛えた生存術を、南の学び舎で選択の倫理へと翻訳する物語」。剣と魔法の二項を、血の匂いと教室の空気で往復運動させる育成譚です。 読み ...
凡骨新兵のモンスターライフ|最強なのに凡骨が更新する快と規範
200年の眠りから天災級として目覚めた元・凡骨兵ユーノス。口から出るのは「がおがお」だけ。文明恋しさとむき出しの欲望を抱えたまま、軍と倫理と快楽のあいだを泳ぐ—最強でも、凡骨は迷う。 関係者の皆さま、画像・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応いたします。 ※ここから先はネタバレを含みます。 ※本稿は未読者の体験を守る方針。以降の詳細ネタバレは見出しで警告します。 刺さる5つのフック キャラと能力の快感マップ 「凡骨→最強」ではなく「最強の凡骨性」 凡骨とは、凡ミス・凡欲・凡悩みのこと。レベル ...
— 『もっこり半兵衛』徹底考察と、徳弘正也先生 身体×笑い×倫理の到達点 断言:徳弘正也先生は「天才」だ 「天才」を軽く振り回す気はない。ここでの天才は技法(フォルム)と思想(エートス)を一致させる力を指す。徳弘先生は下ネタ/エロス/バイオレンスを、倫理とユーモアに結線する稀有な「統合者」だ。線(人体)、間(ギャグの呼吸)、密度(画面設計)、そして人間観(生活倫理)が、一枚のコマに同居する。少年誌期の運動性能、青年誌期の倫理の深み、電子時代の配本戦略――三時代を横断しながら、作家の芯は微動だにしない。 関 ...
最近読んで面白かった漫画「この世は戦う価値がある」 レビュー
— 25歳・限界OL、人生の総決算は段取りで殴れ 関係者の皆さま、画像・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応いたします。 ※ここから先はネタバレを含みます。 作品の前提 エナドリの塔と封書一通。ここから「総決算」は始まる 入社3年目・伊東紀理。机にはエナドリが積まれ、職場はセクハラ&空気読め地獄、恋人はモラ。役満。そこへ届く、一通の封書。「25歳、そろそろ人生の棚卸ししようか?」とでも言いたげな、物語の起爆剤だ。物語はド派手な逆転ではなく、段取りと観察で現実を削っていくタイプ。だから読後に残 ...
最近読んで面白かった漫画「HP5ですけど自動治癒(オートヒール)があれば死にません!」 レビュー
— 紙装甲×オートヒール×配信カルチャーを理屈と笑いでねじ伏せる快作 関係者の皆さま、画像・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応いたします。 ※ここから先はネタバレを含みます。 作品の前提(事実ベースの速習) 常時瀕死の聖女が段取りで世界を攻略する 「HP5」——この4文字の絶望を、作者はギャグで包み、ロジックで食べさせる。主人公・愛曽山愛美は、見映え重視で見習い聖女を選んだ結果、紙装甲&ほぼ即死ラインというピーキー構成にハマる。けれど彼女は引かない。理由は簡単、自動治癒(オートヒール)の確 ...
— 家庭内政はどこまで国家になるのか?第6〜11話の論点整理 関係者の皆さま、画像・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応いたします。 ※ここから先はネタバレを含みます。 家事=主権、その後の「政(まつりごと)」はどこへ向かった? 前回の記事(→「うちがキングダム」レビュー/家事=主権の快感)で語った暮らしの段取り=政治の段取りは、最新話群ではさらに実務化が進んだようだ。家族会議は議題→素案→反対→修正→暫定施行→再評価というプロセスを、ほぼ日常の呼吸にまで落とし込んでいるのがすごい。ここが強 ...
ほどほどに戦い、よく遊ぶ。ショートでもロングでもない中途半端な剣=バスタードソードを片手に、おっさんギルドマン・モングレルが今日も生き延びる。やろうと思えば無双できるギフト知識があるのに、あえてやらない。釣りと料理と、ちょっとした厄介ごと。これをあまり冒険しない冒険譚と呼ばずして何と呼ぶ。 関係者の皆さま、画像・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応いたします。 ※ここから先はネタバレを含みます まず一言レビュー 中途半端の哲学が、異世界の呼吸を整える。無双もしない、大志も掲げない。それなのに ...
今日は「猫と竜」を全力推薦。深い森の奥で、猫に育てられた火吹き竜——羽のおじちゃん。猫の一生は短い、竜の寿命は長い。だからこそめぐる季節のなかで、猫・人間・竜の「ちょうどいい距離感」が、ゆっくり・じんわり・時々バチッと立ち上がる。宝島社「このマンガがすごい!WEB」発のコミカライズ。原作はアマラ、漫画は佐々木泉、キャラクター原案は大熊まい。穏やかな読後のなかに、生活の知恵と魔法の理がちゃんと残る。 関係者の皆様、画像使用・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応します。 ※ここから先はネタバレを ...
【ラグナクリムゾン】クリムゾン徹底考察:策士・裏切り者・共犯者としての核心
関係者の皆様、画像使用・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応します。 ※ここから先はネタバレを含みます はじめに:クリムゾンという物語装置 クリムゾンは「竜を皆殺しにする」という目的でラグナと利害一致の同盟を結ぶ、元・翼の血族の王格(“Winged Monarch”)にして竜側からの裏切り者。この「出自=竜/現立場=人類側」という反転が、物語の緊張を常に作ってきた。公式情報として、元・翼の血族の長で竜神への叛逆者、そして自らも含め竜の全滅を志願する存在であることが明言されている。 クリムゾン ...
ラグナクリムゾン「ラグナ」をいまさら考察:弱者をやめた少年が、銀気で世界の物理と運命を止めにいく話
関係者の皆様、画像使用・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応します。 ※ここから先はネタバレを含みます ラグナは「かわいそう」から卒業した 最初期のラグナは、自分を厄災を呼ぶ凡人と決めつけた自己卑下の固まりだった。だが、未来の自分に叩きつけられる「このままだと全部失うぞ」という絶望の予告編を受信した瞬間、彼は弱者の特権(諦める自由)を捨てる。以後のラグナは、才能がないなら倫理で殴る、の人だ。その倫理の拳に巻き付いているのが銀気(ぎんき)――世界を変える力を止める力で、作中では「凍力」を伴い竜 ...