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生活が詰んでる主人公は、強い。
『雷雷雷』第1話の主人公・市ヶ谷スミレ(18歳)は、父親の残した借金を返すために宇宙害獣(害蟲)駆除会社で働いている。
未来は薄く、仕事は危険。
そんな日常が、UFOにさらわれることで壊れる。
しかもそれを境に、彼女の頭の中では何者かの声が聞こえ始める。
この第1話、派手な設定以上に「嫌な現実の匂い」が濃い。
だからこそ、続きが気になる。
作品概要
『雷雷雷』は、エイリアンとの戦争から50年後の世界を舞台に、借金返済のため働く少女スミレがUFO拉致をきっかけに声と同居し、宇宙害獣と軍事企業に巻き込まれていくSFアクションコメディ。
掲載・読む場所
- マンガワンで第1話掲載(作品ページ)
- 単行本は小学館から刊行(1巻:2023/11/17、B6判・192頁など)
世界観のキーワード
- “宇宙害蟲/宇宙害獣”が社会に残り、怪物が日常業務化している
- UFO拉致は超常現象じゃなく、社会の歪みを露呈させるトリガー
- 物語の怖さは「怪物」より「管理」と「労働」と「市場」の方に寄ってくる
作者メモ
作者がUFOやUMA系番組が好きで、エイリアン題材の作品制作につながった、という情報もある
『雷雷雷』第1話のあらすじ
エイリアンとの戦争から50年後。
宇宙由来の害獣は「特別な脅威」ではなく、日常的な駆除対象として社会に組み込まれている。
借金返済のため危険な現場に立つスミレは、ある日UFOに拉致される。
帰還後、彼女の体と意識には明らかな変化が起きており、
害獣、軍事企業、そして頭の中の声が絡み合って、
彼女は否応なく戦いの渦へ引き込まれていく。
登場人物紹介
市ヶ谷スミレ(主人公)
18歳。父親の残した借金返済のため、宇宙害蟲駆除会社で働く少女。UFO拉致を境に、頭の中に声が発生し、宇宙害獣や軍事企業に狙われる側へ回っていく。
- スミレ視点のキーワード:返済期限/生活の圧/選ばれない側の現実
ダスキン(スミレと融合した宇宙害獣)
エイリアン由来の宇宙害獣で、スミレと融合した存在。人間と意思疎通でき、スミレの精神内で声としても機能する(=相棒にも侵入者にも見えるのが怖い)。
- スミレとの関係性:一心同体(同居)/武器にも呪いにもなる存在
狭山ハヅキ(監視役としての同居人)
軍事企業「ライデン社」側の人物で、雷伍特務部隊の副隊長。スミレの監視役として同居するポジション。
- スミレとの関係性:保護・監視・管理が全部混ざった同居人
→スミレにとって一番逃げ場を塞ぐタイプの現実装置
神保ハルヒコ(雷伍特務部隊の隊長)
ライデン社の雷伍特務部隊隊長。スミレが使えると判断される側の象徴。
- スミレとの関係性:スミレを戦力として扱う上位者(=生活の延長を戦場に変える人)
石動デンスケ(ライデン社社長)
ライデン社社長。スミレを社員に引き入れる側。
- スミレとの関係性:救済の顔をした取り込み(=市場の入口)
朝霧ソウスケ(雷伍特務部隊の隊員)
ライデン社雷伍特務部隊の隊員。
- スミレとの関係性:現場側の温度を持ち込む存在(味方にも敵にも転びうる距離)
第1話で掴まれる3つのフック
① 動機が極端にリアル
戦う理由は「世界を救うため」じゃない。
借金返済。
この一点だけで、主人公の行動に説明がいらなくなる。
② 宇宙害獣=この世界の当たり前
怪物が怖いんじゃない。
怪物を前提に社会が回っていることが怖い。
この世界では、誰かが犠牲になることで日常が維持されている。
③ 声が便利すぎない
頭の中の声は助けてくれる。
でも、本当に味方かどうかは分からない。
頼もしさと不安が同時に存在する設計が、物語の推進力になっている。
主人公・市ヶ谷スミレの第一印象
ヒーローではない。
前向きでもない。
ただ「逃げられない状況に立たされている普通の18歳」。
だからこそ、
能力でも覚悟でもなく、
環境に押し出されて変化していく姿がリアルに刺さる。
こんな人におすすめ
★★★★★
- 生活苦スタートの主人公が好き
- SFやバトルに社会構造の匂いを感じたい
- 味方か敵か分からない“同居存在”が出てくる話が刺さる
★★★☆☆
- ほのぼのだけ読みたい
- 能力覚醒を気持ちよく見たい
まとめ
この漫画が上手いのは、
「戦う理由」を夢や正義じゃなく、返済期限にしてきたところだ。スミレは選ばれていない。
期待もされていない。
ただ“都合よく使える側”に分類されただけ。……という話をここまで書いておいてなんだけど、
どうも最近ブログで漫画紹介するとアニメ化されやすい bicbamboo。
もし本当にそうなったら、
この作品は「声に選ばれた少女」じゃなく
「市場に選ばれた物語」になる。
それもまた、ちょっと皮肉で悪くない。