
一言レビュー
恩人が魔術師なのに、討伐対象も魔術師。このねじれが第1話から強烈っす。
関係者の皆さま、画像・内容に問題がある場合はご連絡ください。速やかに対応いたします。
※ここから先はネタバレを含みます。
作品データ
- 作品名:ロードマギアの弟子
- 作者:FLIPFLOPs
- 話数:第1話「傭兵の少年」
- 公開日:2024年06月19日
- 公式あらすじ(要約):幼い頃、魔術師に命を救われた傭兵の少年・ガルは、魔器を盗んだ魔術師を討伐する騎士団への従軍を請け負う。だが魔術師に見つかり戦闘へ。圧倒的な力を前にガルは――。
この第1話、バトルの前に“立場の地雷”が埋まってるっす
まず事実として、ガルは「幼い頃、魔術師に命を救われた」側なんすよね。
それなのに今やってる仕事は「魔器を盗んだ魔術師を討伐する騎士団に従軍」っす。
これ、剣と魔法のバトル以前に、価値観がズレてて美味いっす。
救ってくれた魔術師と、倒すべき魔術師。同じ言葉なのに、意味が真逆。ここが第1話の心臓部だと思うっす。
しかも相手の魔術師は「圧倒的な力」を持つって明言されてる。
つまりガルは、腕試しじゃなくて死にかける現場に踏み込む。傭兵って職業のシビアさが最初から出てるのも良いっすね。
ガルの傭兵って肩書きが、気持ちよく信頼できるっす
主人公が騎士じゃなくて傭兵。ここが効いてるっす。
騎士って「理念」で動けるけど、傭兵は基本「生存」と「契約」で動く。第1話の時点で、ガルが従軍を請け負うのも、かなり現実的な判断として読めるんすよ。
で、この現実派の主人公が、圧倒的な魔術師とぶつかる。
ここで出るドラマが、ただの根性じゃなく「契約で来たのに、命の値段が釣り合わない」みたいな温度になりやすい。
強敵に勝つより、この現場からどう生きて帰るかが主題になりそうで、そこが好きっす。
「魔器を盗んだ魔術師」って時点で、討伐の正義が濁ってるっす
公式あらすじは「魔器を盗んだ魔術師を討伐する」って言い切ってる。
でもさ、盗んだ理由がまだ分からない段階で、もう討伐が決まってるのって、結構怖いっすよね。
- 誰の魔器なのか
- 盗まれた側は本当に被害者なのか
- 騎士団は正義なのか、それとも権力装置なのか
この辺が、1話の時点では説明されてないのがむしろ良いっす。
説明がない=読者の中に疑いが残る。疑いが残ると、「この討伐、本当に正しいの?」って視点で次を追える。
バトルファンタジーって見せかけで、実は討つ側の倫理を問うタイプの匂いがするっす。
圧倒的な魔術師の存在が「剣技の価値」を逆に上げてくるっす
相手が「圧倒的な力を持つ魔術師」だって明言されてる。
これって、魔法が最強世界ってことでもあるんすけど、同時に「剣でどう戦うの?」って問いが立ち上がるんすよね。
剣技が勝つのか、剣技が工夫で食らいつくのか、あるいは剣と魔法の合わせ技が出るのか。
この作品の売り文句も「魔術と剣技がぶつかるバトルアクション」ってはっきりしてる。
だからこそ、1話の時点で魔術師を上限として置いたの、わりと攻めてるっす。序盤から天井を見せると、主人公の伸びしろが気持ちよく見えるんで。
登場人物考察
ガル(傭兵の少年)
- 公式で「傭兵の少年・ガル」って明記されてる主人公っす。
- ポイントは過去に魔術師に命を救われてること。
これ、ガルの中に「魔術師=恐怖」だけじゃなく「魔術師=恩」も同居してるってことっす。 - さらに今は「討伐の仕事」で騎士団に従軍する。
つまりガルは最初から、感情(恩)と仕事(契約)がぶつかる立場に立たされてる。主人公としてめっちゃ強い配置っすね。
討伐対象の魔術師(魔器を盗んだ魔術師)
- 「魔器を盗んだ魔術師」って公式が言ってるので、少なくとも追われる側の魔術師がいるのは確定っす。
- しかも「圧倒的な力を持つ」って明記。
ここ重要で、相手が強いだけじゃなく、遭遇したら終わる級の雰囲気が約束されてる。 - なお、ガルを救った魔術師と同一人物かどうかは、公式あらすじだけでは断言できないっす(あえて曖昧にしてる可能性もあるっすね)。
ここ、読者のフックとしてめちゃくちゃ効くやつっす。
騎士団(従軍先)
- 「魔器を盗んだ魔術師を討伐する騎士団」って明記されてるので、組織として存在確定っす。
- 途中で「魔術師に見つかり戦闘」になるってことは、騎士団側の練度・判断・連携にも見せ場があるはずっす。
- ただ、騎士団=正義とは限らない。討伐って行為自体が国家の暴力にもなり得るので、ここが物語のグレー担当になりそうっす(※これは予想っす)。
魔器(まき)
- 公式あらすじに「魔器を盗んだ」ってあるので、世界観の重要アイテムとして魔器があるのは確定っす。
- 魔器が「武器」なのか「術式」なのか「媒体」なのかは第1話の外側では断言できないっすけど、盗難が討伐理由になるレベル=国家や騎士団が動くレベルの価値がある、ってことっすね。
こんな人に刺さるっす
- 剣と魔法の正面衝突が見たい人(でも設定にねじれが欲しい人)
- 主人公が“騎士の正義”じゃなく、傭兵の現実で動く作品が好きな人
- 「討伐=正しい」を疑えるファンタジーが読みたい人
ブログ内回遊
- 「うちがキングダム」初回レビュー
https://bicbamboo.com/uchiga-kingdom-biccomi-review/ - 「うちがキングダム」続レビュー
https://bicbamboo.com/uchiga-kingdom-biccomi-review-2/ - ラグナクリムゾン:クリムゾン徹底考察
https://bicbamboo.com/ragnacrimson-crimson-analysis/
読めるサイト(公式)
第1話はサンデーうぇぶりで読めます。公開日もここに出てるっす。 Sunday Webry
まとめっす
『ロードマギアの弟子』第1話は、
- 恩(魔術師に救われた過去)
- 仕事(魔術師討伐の従軍)
- 圧倒的な敵(魔術師の力)
この3つを最初から同時に置いて、主人公の立場をねじる導入が上手いっす。
剣と魔法のバトルを見せるだけじゃなく、「誰を敵にするのか」を読者に背負わせる。
このタイプは、続き読むほど効いてくるやつっすね。