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最近読んで面白かった漫画「来見沢善彦の愚行」

今日は「来見沢善彦の愚行」を全力推薦。
昭和の少年漫画界。ヒットの残響が長すぎる男が、を描けないまま足元を取られていく。若い原稿に出会ってしまったとき、尊敬と嫉妬と自己否定が同時に立つ――あの胃の奥のざわざわを、見開き一発で思い出させる導入だ。連載は少年ジャンプ+、毎週土曜更新



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※きっとネタバレを含みます


まず一言レビュー

成功の影は長い。光をくれたはずの過去が、次の線を引く手を震わせる。
「愚行」は逃避でも決壊でもなく、創作の引き金になり得る――その怖さを正面から描く第1話。

読ませるね。絵でも読ませるね。


作品データ

  • 作品名:来見沢善彦の愚行
  • 作者:ときわ四葩
  • 掲載:少年ジャンプ+(毎週土曜更新。第1話は2025年9月6日公開。ページ上に「次回更新:9月13日」と表記)
  • 導入の核:うまく立ち上がらない新作構想。そこへ若き漫画家志望・畑の圧倒的原稿が差し込む。来見沢は無謀に手を伸ばす――。

ここが面白い

1)「愚行」の再定義

破壊か、救済か。やってはいけないことが、創作者にとってだけは「やらざるを得ないこと」に変形する瞬間。その温度差を、台詞ではなく場面転換の呼吸で見せる。

2)紙とインクの湿度

喫茶店、編集部、締切の足音。昭和の道具立てが記号で終わらず、現在の制作現場の疲労と地続きに感じられる。回想の置き方がうまく、過去の成功が現在をむしばむ。

3)才能に出会ってしまう恐怖

畑の原稿を前に、来見沢の胸に立つのは嫉妬だけじゃない。尊敬、安堵、焦り、そして自己否定。としての後進に向き合う視線が痛い。

4)連載の設計——余白で週を跨がせる

第1話は邂逅→動揺→決断の予兆。説明を捨て、嫌な予感のままページを閉じる。土曜更新と相性のいい体感設計で、次の週を待つ身体になる。


どこから読む?

  • まずは少年ジャンプ+の作品ページで第1話。スマホでも読みやすく、更新予定も明快。
  • 以降は土曜の習慣に。1話の余白を「今週の宿題」にしてくるタイプの語り。

まとめ

第1話は痛みの入口として完璧。タイトルの「愚行」は、彼だけのものじゃない。創作に関わる誰もが、ふと足を滑らせかねない傾斜を、ていねいで冷酷な筆致で見せてくる。来週、どこまで転がすのか。


参考リンク


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