今日は「魔女と傭兵」を全力推薦。
人に命を狙われ続けた最凶の魔女シアーシャと、双刃の傭兵ジグが、追われない場所を求めて未知の異大陸へ――。剣戟の重みと生活の手触りが物語の血流をつくり、利害の一致が“信義”へと育つ過程を丁寧に描く、本格ファンタジーの快作だ。

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※きっとネタバレを含みます
まず一言レビュー(140字)
斬るには準備→逡巡→決断がある。その重さが因果を運び、ページが加速する。契約から始まる二人の関係は、甘さに寄らず段差を刻んで“信義”へ。生活描写が戦闘の緊張を底上げし、読後は爽快より余韻が残る。今いちばん安定して追える連載。
作品データ(公式ベース)
- 原作:超法規的かえる/漫画:宮木真人/キャラクター原案:叶世べんち。掲載:講談社「マガジンポケット」連載中。(マガポケ)
- あらすじの核:最凶の魔女が追われない場所を望み、双刃の傭兵に護衛を依頼。二人は未知の異大陸へ渡航する――という決断の物語。(講談社 書誌, GCノベルズ 特設)
- 1巻書誌:紙・電子ともに2024年5月9日発売、B6/192ページ、定価792円。(講談社 書誌)
- 配信:英語版は K MANGA で配信。(K MANGA)
- 既刊:6巻まで刊行を確認(記事公開時点)。(講談社 書誌, BookWalker)
ここが面白い(ネタバレなし)
1) 必然としての剣戟の描写
見栄のための見せ場でなく、状況処理としての戦闘が描かれる。立ち位置の入れ替え→間合い→退き際までが因果に接続し、一撃ごとに物語が進む。
2) 契約から信義へ――関係の段差が気持ちいい
始点は護衛契約という実務。食事、移動、警戒といった日々の共有で少しずつ信用が信義に変わる。甘さに頼らない距離感が、読み味の芯になる。
3) 世界の摩擦が旅の動機になる
宗教観、旧来魔術、亜人、移住条件などの社会的摩擦が冒険の道筋に絡む。勝敗がそのまま暮らしの条件へ響くため、物語に立体感が生まれる。
4) 連載の走行感――ページは軽いのに読後は重い
各話に小目標が置かれ、読後の充足と次回への渇きが同居。速度と余韻の両立で、追いかけるほど快感が増す。
こんな人に刺さる
- 勧善懲悪より現実の手触りを読みたい
- 剣戟=演出ではなく、物語の必然として機能する戦闘が好き
- 契約から始まるバディが信義へ育つ過程を味わいたい
注意点
- 暴力・流血の描写あり。心理的負荷が高い場面に留意
- 固有名詞や勢力図の情報量が多め。序盤で拾うほど後半が滑らか
どこから読む?
まとめ
「魔女が安住を求め、傭兵が職分を貫く」
この利害の一致が信義へ変わる瞬間が最大の読みどころ。剣戟の必然・世界の厚み・生活の余白が三位一体となり、ページをめくる手が止まらない。今、読む理由がある。
参考リンク(一次情報・公式URL)
- マガポケ 作品ページ:https://pocket.shonenmagazine.com/title/02368 (マガポケ)
- 講談社 書誌(1巻):https://www.kodansha.co.jp/comic/products/0000389319 (講談社 書誌)
- K MANGA(英語配信):https://kmanga.kodansha.com/title/10570 (K MANGA)
- GCノベルズ 特設サイト(原作情報):https://gcnovels.jp/special/gcnb/majotoyouhei/ (GCノベルズ 特設)
- BookWalker(配信・書誌):https://bookwalker.jp/de9fd765b8-da22-463c-b705-2df7a30e47e4/ (BookWalker)